■母のトーストを再現してみました
私の母は、正直あまり料理が好きではありませんでした。
ある日の昼食。
母が昼食を作っている台所から、何やら魚を焼いている匂いがします。
「あぁ、今日の昼食は焼き魚なんだな」と台所に行ってみると、アジの干物の匂いが強くなってきました。
アジはその日の朝食のメニューでした(笑)
そこで「さっき食べた」なんて事を言うと、母はいきなり機嫌をそこねて昼食作成作業を中断してしまう性格だったので、そこは突っ込まずにそっと母に聞いてみました。
「今日はアジだね?」
そう言いながら近付いて焼き網の上を見ると、そこに有ったモノはなんと…
食パンでした(>_<)
母は、魚を焼いている網で食パンを焼いていたのです。
「昼はトーストだ」
そう母は言いますが、作成方法がハッキリと違います。
我が家には早い時期からトースターという素晴らしいものが有りました。 ワリと新しモノ好きな父は、人が持っていないような新製品を買うのが好きで、テープレコーダーもそのひとつ。
やがてどの家庭にも出回る頃には、我が家のそれはボロボロになっているというのが日常でした。
「トースターが有るのに、何故?」と思われる方も居ますでしょう。
その疑問は私も同じでした。
母は、トースターの掃除が面倒だったのです。
母は、自分の都合の良いモノを買う事には、お金を惜しみませんでした。
まだ誰も持っていないうちから、ステンレスか何かの銀色のお皿を買って来たりもしました。
レストランでしか見ることが出来ない、1皿が3つくらいに分割されている皿です。
母はその皿にご飯とおかずをのせて「ほら、レストランに行ったみたいだろ?」と上機嫌。
私も「本当だね」と言いながら、ちょっとリッチな気分になりました(バカ親子)。
次の食事もそのお皿でした。
そして、その次の食事も、そしてそして、その次もまたその皿でした。
皿にのっているおかずは、洋食ではありません。料理が好きでない母に洋食は無理です。ですからそのハイカラな皿には、母が作ることが出来るものしかのりません(当然です)。
例えばある日の夕食。
メインがのるべき皿の中で一番大きな領域には、ご飯がのります(ここがまず大きな間違い)。最初はオムライス用の型に入れてのせてくれていましたが、何回もしないうちから、ただ真っ平らのご飯に切り替わりました。
そして2番目に大きな領域に、メインのおかずがのります。
その日のメインはパスタのケチャップ炒め。
ナポリタンではありません。
よくホカ弁なんかで付け合わせにしている、あのケチャップ炒めです。
具は有りません。
それがメインのおかずです。
主食で主食を食べるようなものです。
一番小さな領域には、魚肉ソーセージと玉子の煮物。
どう考えても、レストランの皿にのせるようなシロモノでは有りません(涙)
例えばある日の昼食。
大きな領域には勿論ご飯です。中くらいの領域にはマグロのみそ漬けを焼いたもの。
ちょっと色的にハイカラでしょうか(笑)
そして小さな領域には、海苔の佃煮。
これはわざわざのせなくてもいいんじゃないでしょうか?
瓶のままでいいでしょう。
ま、そんな母が知恵を絞って出した料理法が、食パンの網焼きだったんです。
その焼き網もきちんと洗わないから、前回焼いたものの匂いがしっかりと食パンに移行しています。
前回焼いたものがサバだとしたら、サバ臭のした食パンが出来上がるわけですね。
サンマだったら、サンマ臭の食パンと。
前置きが長くなりました。
しかしこれを話さないと、何故今回焼き網で食パンを焼くのかという意味が伝わりません。
で、とにかくやってみました。
『作り方』なんていうものは有りません。
ただ焼き網の上にパンをのせて火を付ければ良いのです。
今回残念だったのが、事務所で作成した為に、焼き網がキレイ過ぎたというところですね。前回焼いた魚が何だったのかが解りません。
しかしその匂いを付ける為に、わざわざ一回魚を焼いてから作るのもバカバカしいのでやめました(その前に、この企画自体がバカバカしい)。
さて、裏返してみます。

失敗です。
こんな焼き色じゃないんですよ。
もっと黒いんです。
裏返した時に、既に焦げていなければ母の焼き方じゃないんです。
母はあぁいう人ですから、『今、食パンを焼いている』という自覚が無いんです。それも強火。
強火で焼いているのに、テレビとか見ちゃうんです。
で、裏返した時には焦げていると。
あ、ここでバターをぬらないと。

バターは雪印だったと思います。
今と同じく銀紙に包まれていますが、切れている商品は有りませんでした。そんな商品があの頃有ったら、母は間違いなくそちらを購入したことでしょう。
母はその銀紙を開き、そのまま直接パンにぬります。
ですからうちのバターには、前回か前々回か解らないようなパンくずが付着しているんですね。もっと前のものかも知れません。
平和な時代でした(+_+)
今回は切れているものしか有りませんでしたので、そこも再現出来ませんでした。
切れているバターを1かけのせてみます。
溶けません。
今のトースターでこのように焼けば、キレイに溶けますよね。
しかしこの状態だと全く溶けないのです。
あぁ、それでうちの食パンはボロボロになっていたのか…
きっと、母が力ずくでぬったに違い有りません。
そんなこんなで出来上がったのはこれです。

違いますね、明らかに違います。
この倍は焦げていなければなりません。
だって、食べると苦かったんですから(T∇T)
【母のトーストを再現してみた→結構旨かった(爆)】 |