ロッテ 爽(そう)

BACK

 「口溶け新食感!」だそうで、「当社の技術で、微細氷をバニラアイスにとじ込めました。なめらかで後味のスッキリした新しい口溶けのアイスをお楽しみ下さい」だそうです。

 食べてみると、確かに微細氷が入っている食感で、その分バニラの風味が抑えられているような気がする味である。多分これは年代によって違ってくると思うが、私の年代がこれを食べると、何となく「ハッキリしない味」という事になってしまう。

 バニラアイスは、昔30円で販売されていたカップ物のアイスの事だと思っている。その後、50円になり、60円なんていう商品も出てきて、最終的には100円。それが私のバニラアイスの味。
 だからこういう味を出されると「バニラが薄い→ケチっている」と感じてしまうのだ。

 せっかく「新食感」として「当社の技術」を発揮したのにも関わらず、「ケチっている」などと言われたのでは開発者も可哀想だ。しかし実際にそう思う人が居るという事も事実である。私の母親にも食べさせてみたが、私と同じ事を言っていた。
 あの当時はバニラを食べていれば「いいとこ」だった。私達が食べていたのは、10円のホームランバーである。しかしカップ物と比べると、どうも味が物足りなかった。バニラが薄いのである。
 お金の有る日には「今日は贅沢してカップにするかな」と母親が言う。私はとても嬉しくて、お店まで走って買いに行ったものだった。

 そういう年代に生きた私としては、やはりこれはバニラアイスとは言いづらい。バニラアイスというならば、もっとドッシリとした「バニラっ気」が欲しいのである。
 母は「どうせ若い世代を狙ってるんだろ」と言う。この「どうせ」という部分が「良くない」と思わせる事に一役かっているのだろう。「どうせ」は言葉的に悲しいと思う。母に「新食感なんだってよ」と言うと「あっそう」などと、駄洒落で返されてしまうのも悲しい。